ジャパン・サステナブル
シーフード・アワード とは
ジャパン・サステナブルシーフード・アワードは、国内で広がるサステナブル・シーフードのムーブメントをより一層活性化させるために2019年に始まりました。
その年に功績を残した、日本国内におけるサステナブル・シーフードに関する取り組みを「ファイナリスト」とし、その中でも最もインパクトをもたらしたプロジェクトを「チャンピオン」として表彰しています。
今年は、10回目を迎える東京サステナブルシーフード・サミットにおける、ムーブメントの軌跡を多様なステークホルダーの皆様と確認・祝福しあうという全体方針に則り、取り組みの審査・募集は行わず、これまでの取り組みに再度焦点を当て、皆様にご紹介いたします。
そして、2025年。第6回目となるアワードは、大阪・関西万博内でファイナリストの表彰式を行う予定です!
詳細は決定次第webページ等で告知いたします。
皆様からの応募を楽しみにお待ちしております。
これまでの表彰部門
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リーダーシップ部門
単独、もしくは複数の企業、組織、個人による、画期的な取り組みで業界のパイオニア的存在となったプロジェクトを表彰します。
周囲が次に続くような取り組みであることを重視します。
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コラボレーション部門
複数の企業、組織、もしくは個人がノウハウを共有することで実現したプロジェクト(同業者間の協働も含む)を表彰します。
複数組織が協働することで業界により大きな影響を与える取り組みであることを重視します。
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U-30(30歳未満)部門
学生を含む、30歳未満の個人、あるいは30歳未満の個人を主体とする組織によるプロジェクトを表彰します。
水産業を持続可能にするためのプロジェクトであれば、構想や過程の段階での応募も可能です。
これまでの受賞者
※各プロジェクトの取り組み状況に関しては、
受賞当時の内容になります。
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第5回
2023年
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リーダーシップ部門
チャンピオン
「北三陸から、世界の海を豊かにする」プラットフォームの構築
株式会社北三陸ファクトリー/一般社団法人moova
地球温暖化などの環境変化が原因となり、増えすぎたウニによってアマモ場が食い荒らされる「磯焼け」と呼ばれる海の砂漠化が、日本を含め世界各国で深刻な環境・社会問題となっています。
北三陸ファクトリーでは、磯焼けによる餌不足で実入りが悪くなった痩せウニを廃棄ではな く、美味しいウニに変える「ウニ再生養殖」、ウニ殻で作られた堆肥ブロックを用いた「アマモ場 再生」の取り組みを行っています。
しかしながら、世界的な海の砂漠化に対する認知度は低く、加速度的に深刻化する事態に向き 合うためには、より多くの力やアイディアが必要であると考え、水産事業者だけでなく多方面 で活躍する人々やコミュニティを繋げ、共にアクションを起こしていくプラットフォームを立ち上げました。
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U-30部門
チャンピオン
未利用資源活用による担い手育成の研究
愛知県立三谷水産高等学校/ヤマサちくわ株式会社/愛知県淡水養殖組合
本校とヤマサちくわ株式会社との協働で蒲郡市の形原・西浦漁協で水揚げされる「ジンケンエビ」を用いたさつま揚げを開発しました。
ジンケンエビは大きくても5cmほどの深海エビで、殻をむくのに困難を要し、漁獲されても廃棄される場合があります。加工に手間はかかりますが、加熱すると非常に赤色が鮮明に発色されるエビであり、そこに視点を置いて乾燥させ粉末にしました。(生のままのジンケンエビは薄い赤色をしているが加熱させることで更に赤色が際立つ)粉末にしたエビをすり身に混ぜ、地域の学校給食などで提供しました。
地域企業と連携して地元で獲れる水産物を加工することで、生徒に水産業への興味関心を持たせ、次世代の担い手を育成する活動を行っています。
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特別賞
「あなたの専属漁師」完全受注漁による持続可能な漁業
邦美丸
私たちの事業は“あなたの専属漁師”をコンセプトにした国内初の「完全受注漁」という、持続可能な漁業です。完全受注漁とはECサイトやSNSを活用して消費者から事前に注文を受けた必要な魚だけを獲るという、自然界に受注生産を取り入れた新たな漁システムです。
通常の漁師は好きな時に好きなだけ魚を獲り、市場に供給します。完全受注漁は通常とは真逆の漁システムであり、現在の漁業の課題である水産資源の乱獲、価格の不安定性、漁師の過労問題、後継者不足問題を解消できる新たなビジネスモデルになります。 完全受注漁で未来資源を守りながら漁師界にイノベーションを起こします。只今、県の経営革新計画を申請中です。
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第4回
2022年
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リーダーシップ部門
チャンピオン
小規模漁業・養殖業者とともに持続可能な漁業・養殖業への移行を加速させる
フィッシュ・アンド・プラネット株式会社/有限会社銀座大新/宮城県漁協 北上町十三浜支所 青年部グループ/DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社
フィッシュ・アンド・プラネット株式会社は、小規模漁業・養殖業者とともに持続可能な漁業・養殖業への移行を加速させる取り組みを進めてきました。その最初のプロジェクトとして、関連会社であり江戸時代創業の老舗天ぷら屋、有限会社銀座大新の資金支援のもと、宮城県石巻市でワカメ・コンブの養殖を行う若手生産者グループによる日本初のワカメ・コンブでのASC-MSC海藻(藻類)認証の取得を、実務及び資金面において支援しました。この認証取得は日本初・世界二番目となるASCグループ認証(有志グループによる認証取得)の手法での取得となります。認証取得後は、同グループが生産したASC認証のワカメ・コンブを公正で安定した価格で買い取り、国内外のサステナブル・シーフード市場に販売します。また今後、他の生産者グループによる認証取得も支援していきます。
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コラボレーション部門
チャンピオン
中国・黄海沿岸域での漁業改善プロジェクトを通じたあさりのMSC漁業認証の取得
株式会社ニチレイフレッシュ/丹東泰宏食品有限公司/WWF中国/WWFジャパン
中国大陸と朝鮮半島に囲まれた黄海の沿岸域は、生物多様性が高く豊かな生態系がつくられています。その中でも鴨緑江河口域は、渡り鳥の重要な中継地であるとともに、中国の主要なあさりの生産地の一つとなっており泰宏食品有限公司、WWF中国、WWFジャパンは、この地域で持続可能なあさりの生産を実現するために、2016年11月に漁業改善プロジェクトを開始。改善の取り組みを通じて2020年1月にMSC本審査入りを果たし、2021年9月にMSC漁業認証の取得に至りました。
今回のMSC漁業認証の取得は、中国と日本のサプライチェーン上の関係者の協働による漁業改善プロジェクトを通じて実現した、中国で初めての事例です。
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U-30部門
チャンピオン
京都・阿蘇海 ハマグリ資源管理プロジェクト
京都府漁業協同組合溝尻地区 村上純⽮/京都府漁業協同組合溝尻地区運営委員会
村上純⽮⽒は、京都・阿蘇海でハマグリ資源回復プロジェクトを中⼼となって進めている漁業者です。中学卒業後すぐに漁師となり、19歳で独立。全国で激減している本ハマグリの資源回復と、「⼤好きな漁師という仕事を、祖父から引き継いだこの海でずっと続けたい」との思いで、22歳でハマグリの資源管理を組合に訴求しました。その後、村上⽒、京都府漁業協同組合溝尻地区運営委員会、京都府農林⽔産技術センター海洋センターとで連携し、2019 年より2年間の漁⾃粛を経て2021年からハマグリの資源管理をスタート。海洋センターのアドバイスのもと、それまでの全⻑制限に代わり漁期設定や操業時間規制、さらに漁獲数量規制を⾏ったうえで、資源量の30−40%に達したら漁期中でも終漁する取り組みにより資源回復を⽬指しています。
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第3回
2021年
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リーダーシップ部門
チャンピオン
「コープサステナブル」“海の資源を守る”シリーズ発売及び「責任ある調達」への取り組み
日本生活協同組合連合会
日本生協連は、「サステナブルな農林畜水産物およびそれらを主原料とするコープ商品(PB)」を「コープサステナブル」シリーズとして2021年春より展開を開始しました。MSC/ASCなどの水産エコラベル認証ラベル付きコープ商品は、共通ロゴ“CO・OPサステナブル”の下に“海の資源を守る”のメッセージを入れ、消費者が売場でサステブル・シーフードを「見つけて選びやすく」しました。
また、2021年5月に、全国の生協で取り組む「生協の2030環境・サステナビリティ政策」の策定に合わせ、「コープ商品の2030年目標」と、サプライチェーンを通じて人権を尊重し、環境に配慮した「責任ある調達」を一層推進する、コープ商品「責任ある調達基本方針」を公開しました。
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コラボレーション部門
チャンピオン
高知と宮崎の近海かつお一本釣り漁業によるMSC認証取得
高知かつお漁協
(有)明神丸 151明神丸、(有)鳳洋水産 28鳳丸、(有)佐賀勝丸 63佐賀勝丸、(有)丸三水産 福吉丸、(有)日昇 8日昇丸、こんぴら水産(株) 栄吉丸、高知かつお漁協
南郷漁協
(有)由丸水産 八十一号由丸、(有)中野水産 第七十三真海丸、(有)喜與丸水産 第八喜與丸、清龍水産(有) 十八号清龍丸、(有)浅野水産 第五清龍丸、(有)事代水産 第十八事代丸、第十五事代丸、(有)渡邊水産 第二十八一丸、杉本水産(有) 第二十一愛宕丸、岩切水産(有) 八号三代丸、(有)高丸水産 竜喜丸、春日水産(有) 一八春日丸、南郷漁協
鈴木允(事務局)
高知かつお漁協(高知)と南郷漁協(宮崎)に所属する近海かつお一本釣り漁船18隻により、2021年6月にMSC認証を取得しました。
2019年11月に発足した「近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会」は、2020年7月9日にMSCの本審査に正式に入りました。9月には、水産庁、国際水研(当時)、環境NGOなどの協力のもと、オンラインでの現地視察が行われました。外部査読、公開協議、異議申し立て期間を経て、2021年6月17日付でMSC認証を取得しました。
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特別賞
東京産水産物の持続可能な利用及び海洋環境保全に関する包括協定
東京都、セイラーズフォーザシー日本支局
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第2回
2020年
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リーダーシップ部門
チャンピオン
きじま「美味しい和食と豊かな海を、未来もずっと。」
株式会社きじま
きじまでは「美味しい和食と豊かな海を、未来もずっと。」をスローガンに、日本の海を持続可能にするため、海の抱える問題を多角的に捉え、様々な活動を展開しています。
“豊かな海を後世に残すため、きじまにできることはなんだろう" “海の幸でレストランを営む上での社会的な責任として、きじまが海にできる恩返しとは”そんな問いを大切に、以下のような取り組みを行っております。
【日本の和食店で初のMSC/ASC認証水産物の提供】
・天然魚に占めるMSC比率:8.3%(36品目中、3品目がMSC)
・養殖魚に占めるASC比率:60%(5品目中3品目がASC)
(いずれも月間の品目ベースで20年9月現在の数字)
【有機/自然栽培の農産物の利用推進】
農薬や化学肥料で土壌や河川および地下水を汚染することは、最終的には海の汚染につながります。今期は「きじま オーガニックチャレンジ」と題し、上記のサステナブル・シーフードの使用比率と共に、有機/自然栽培農産物の利用率も可視化しました
・お米の自然栽培比率:100%
・生鮮農産物に占める有機/自然栽培比率:56.6%
(いずれも月間の品目ベースで20年9月現在の数字)
【合成洗剤の撤廃】
今期、海洋汚染の主原因の一つである石油由来の合成界面活性剤の完全撤廃を達成しました。
【FSC認証の森林資源の利用推進】
きじまで使う箸やストロー、また店舗内装にFSC認証の木材を使用しています。FSC認証の森林資源の利用を通じて「海と森はつながっている」ことを理解し、「海のために森を守る」ことの大切さを全社のスタッフで共有しお客様にお伝えします。 今期の進捗としては、みなとみらい店にて日本の飲食店では初の「FSCプロジェクト認証」を取得するとともに、全店の紙ストローを山梨県産のFSC認証ストローに変更しました。
【環境印刷の採用】
お客様がきじまで手に触れまたは目にする印刷物を、人と環境に優しい非石油系溶剤のインクやFSC認証の紙、また再生可能エネルギーを利用したものへ変更を進めています。今期はパンフレットや店内印刷物など年間約99万部を全て環境印刷に切り替えました。
【脱プラスチック】
仕出し・ケータリング事業のお弁当の包材も、今期はプラスチックを一切使わない紙と木から作られた容器へ全て変更しました。
「きじまの食の安心・安全への取り組み」: https://kijimagroup.co.jp/reason/about
きじまオーガニックチャレンジ:https://kijimagroup.co.jp/organic
オンラインショップ: https://kijima.thebase.in/
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コラボレーション部門
チャンピオン
『ブロックチェーンを活用した非対面型ビジネスモデルへの転換~Ocean to Table~』
海光物産株式会社、日本IBM株式会社、アイエックス・ナレッジ株式会社、株式会社ライトハウス
日本の漁業がピークであった1980年代には、東京湾においてもイワシやカレイが豊漁でした。その後様々な人為的環境変化によって、それらの漁獲が激減すると共に、比較的資源量の豊富だったスズキに対する依存度が急激に高まり、これが図らずも船橋市がスズキの水揚げ日本一になっていることの真実でもあります。 現時点でTAC魚種ではないスズキについては、管理目標や漁獲割当ても定められていないため、漁獲圧は年々高まる一方で、各個体の小型化も進み水揚げ数量自体も減少傾向にあります。これは世界的な前例を見ても資源枯渇の前兆と言えるでしょう。こうした現状を打破するためには、早急に資資源管理型漁業への転換が急務であると私たちは考えます。
日本初の包括的FIPに取組み、漁業のルールを作り、海の環境や生態系にも配慮した漁業は、そのブランド価値も高まって来てはいるものの、残念ながらこれらを伝える術がないのが現状です。また量から質への転換が迫られる中、新鮮さや美味しさ以外にも新しい価値を創造して、エシカルな消費を喚起して行くことが不可欠と考えます。さらにウィズコロナの、特に水産物消費においては、ECサイト上で的確な〝目利き〟の効いた商品情報が求められるようになってきています。
そこで漁業現場ではすでに実装済みである(株)ライトハウスのISANAの漁獲データをエシカル消費者に伝えるために、圧倒的なシェアを誇るIBM(株)のブロックチェーン『フードトラスト』のノウハウを活用することに着目しました。アイエックス・ナレッジ(株)が、新たに水揚げ仕分けデータ、出荷データ、加工データ、配送データの各システムアプリを開発し、漁業現場からの一貫した物流の中で、各ステークホルダーがQRコードを読み込むだけで、必要な時に欲しい情報を、いつでもどこでも閲覧できる仕組みを構築します。その商品は楽天の『アースモール』で購入できたり、お店情報や料理レシピを知ったエンドユーザーには、QRコードからその魚の〝履歴書〟を提供し、安心安全をお届けすることができます。
この『Ocean to Table』プロジェクトは、全く新しいポジティブなトレーサビリティという価値を創造するための革新的なプラットホームであり、水産資源管理や消費行動にとっても、そしてまたIUU漁業撲滅の観点からも極めて重要な社会貢献プロジェクトです。
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特別賞
株式会社臼福本店
株式会社臼福本店は今年8月、世界で初めてタイセイヨウクロマグロ漁業のMSC認証を取得しました。クロマグロは寿司ネタとして特に日本人に好まれてきましたが、資源量の減少によりその漁獲枠を巡って、常に国際的な論争が巻き起されてきました。
しかし、タイセイヨウクロマグロはクロマグロの中でも資源量が回復しつつあることが科学的に証明され、漁獲枠を守りつつトレーサビリティを担保してきた臼福本店の長年の取り組みも評価され、今年8月に認証を取得することができました。
漁業を持続可能にするだけでなく、一度漁に出たら長期間、洋上で過ごさなければいけない船員の働きやすさやストレスケアのため、漁船(第一昭福丸)を新築。快適に働ける環境もつくり、今年のGood Design賞も受賞しました。
臼福本店は、代表取締役の臼井壮太郎氏が今年のアワードの審査員のため規約上応募できないことになっていました。しかし、難易度とインパクトのあるタイセイヨウクロマグロの漁業が世界で初めて持続可能と認められるまで多大なる努力されてきたこと、さらに船員の働く環境の整備は水産業界の課題となっている人材、若手不足の問題の解決にもつながるものであるため、今回特別に表彰させていただくことになりました。
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第1回
2019年
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イニシアチブ
(現:リーダーシップ)
部門 チャンピオン
『日本初 社員食堂へのサステナブル・シーフードの継続導入』拡大推進プロジェクト ~社員食堂から、消費行動を変革し、SDGs達成に貢献~
パナソニック株式会社 ブランドコミュニケーション本部 CSR・社会文化部
・この活動は、社員食堂へMSC/ASC認証を取得したサステナブル・シーフードを継続的に導入する取組みで、日本で初めて2018年3月から、月1回の頻度で2拠点での提供を開始。2020年度中に約100拠点の全社員食堂への導入を目指している。
・この『活動の目的』は、社員食堂への導入により、社員に水産資源の危機的な状況やその対応策としてのサステナブル・シーフードの意義・重要性、主要な認証であるMSC/ASC認証などの『認知を向上』し、社員食堂だけでなく、社外でもサステナブル・シー フードを選んで購入するという『消費行動の変革』を起こし、SDGs達成に貢献すること。
・よって、この活動の第2期に当たる当プロジェクト(2018年7月~2019年7月末)では、「自社の導入拠点の拡大」、「他企業での導入拡大支援」、「一般(社員含む)への認知向上」に取組んだ。
・自社の導入拠点の拡大では、日本の給食業界初でMSC/ASC CoC認証を取得いただけたエームサービス様に担当いただいている他の拠点への『横展開』と、他の給食会社様への『新規認証取得提案および導入』を推進。
・その結果、『横展開』で9拠点に導入。グリーンハウス様、一冨士フードサービス様、テスティパル様、魚国総本社様等5社に『新規』で認証取得いただけ11拠点に導入。(合計20拠点:年間総喫食数約340万食)
・また、食品流通大手の尾家産業様による全国44拠点のCoC認証を取得いただけ、今後のサステナブル・シーフード導入拡大への大きな礎となった。
・他企業での導入拡大支援では、多様な機会を活用し、講演会等への登壇や個別の詳細なノウハウ共有などの打合せ等を実施。
・その結果、日立製作所様、デンソー様、JXTGホールディングス様等に、導入を実現いただけた。特に、デンソー様では、①SDGsの社内浸透のツールという新しい切り口での展開や②半年の短期間で6拠点に導入。更なる導入拡大に向け推進されておられます。
・認知向上では、社員食堂内表示や啓発チラシ配布、社内のe-Learnigを活用した周知徹底、メディアへの発信に取組み、数多くの新聞、雑誌、テレビ、ウェブ記事等で取り上げていただけた。また宣伝部門等との連携による動画ニュース、ウェブ記事、雑誌 広告等の掲載を通じ、多くの一般の方にもサステナブル・シーフードについての発信を実現した。
パナソニック『海を守る選択!』サステナブル・シーフードを社員食堂から拡げる: https://www.panasonic.com/jp/corporate/sustainability/citizenship/environment/sustainable_seafood.html
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コラボレーション部門
チャンピオン
「インドネシア・スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト(AIP)」
日本生活協同組合連合会、WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)、BOMAR社(PT.Bogatama Marinusa)、WWFインドネシア(WWF-Indonesia)
日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連)は、ブラックタイガーの養殖業がASC(水産養殖管理協議会)の基準に基づいた持続可能な養殖業への改善を目指す取組みを支援する「スラウェシ島エビ養殖業改善プロジェクト」を2018年7月より開始しました。インドネシア企業BOMAR社(日本生協連のブラックタイガー商品の主力取引先)、WWFジャパン、WWFインドネシアと日本生協連の4者の協働で3年間の予定で進めています。
プロジェクトの目標は、「生態系・生物多様性の保全」と「持続可能な地域住民の生計確立と水産物の生産・消費」です。主な活動として、養殖池開発によって失われたマングローブの再生、水質調査などに関する手順書の作成とトレーニングの実施、エビの資源管理に関する政策提言などを行います。
プロジェクトのフィールドは、インドネシア・南スラウェシ州・ピンラン県で、ブラックタイガーの粗放養殖池を対象としています。
<プロジェクト参加者の役割>
BOMAR社:加工業者として事業の持続可能性を改善。生産者へ調査機器等を提供。現地関係者との連携・コミュニケーション。
WWFインドネシア:プロジェクトの設計および進捗管理。改善に関する技術的サポート(例:マングローブの再生、労働者へのトレーニングなど)。現地関係者との連携・コミュニケーション。
WWFジャパン:プロジェクト全体のコーディネーション。プロジェクトに関する国内での情報発信。消費者向けのコミュニケーションのサポート。
日本生協連:商品の開発・供給。加工業者(BOMAR社)への持続可能な調達の働きかけ。資金的な支援。消費者・生協組合員とのコミュニケーション。
<現在までの活動と今後の取組みについて>
環境影響評価と社会影響評価を実施し、AIPで改善することが必要な課題を特定し、取組みをすすめています。
マングローブ再生について、ASC基準では対象養殖池56haの半分の28haの面積の再生が必要とされており、2019年8月までに12ha・4万本以上の再生を行いました。
現地で手順書の作成とトレーニングをすすめています。
2020年中にプロジェクト対象の養殖池でASC認証の本審査にすすむ予定です。また、将来的に他の養殖池へのASC認証の拡大をめざしています。
インドネシア・スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト(WWFジャパン): https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3652.html
インドネシア「スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト」を開始(日本生協連): https://jccu.coop/info/newsrelease/2018/20180628_01.html?_ga=2.214039956.203599716.1571187564-412106203.1551394023
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コラボレーション部門
チャンピオン
日本初の次世代トレーサビリティーシステム構築プロジェクト
海光物産株式会社、株式会社大傳丸、有限会社中仙丸、株式会社ライトハウス
海光物産株式会社と株式会社ライトハウスが取り組んでいる活動は、『100年培ってきた漁の現場のノウハウと最先端のテクノロジーを組み合わせた、日本発の次世代トレーサビリティーシステムの構築』です。資源評価や資源管理には、漁獲データの集積が不可欠となります。さらにそれを漁業者が簡単に記録、分析、共有することによって、漁獲物のトレーサビリティーが確保されます。つまり「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうやって」、そして「なぜ」獲ったのかというストーリーを流通業者、消費者に伝えることによって、その漁業がサステナブルであるか否か、安心かつ安全であるか否かを付加価値にして行こうというものなのです。
(株)ライトハウスは、すでに魚探やソナー等の漁撈機器画像や船舶の航跡、船上での作業状況等のデータをリアルタイムに収集、可視化する船舶プラットフォーム「ISANA」を開発して、そのシステムを多くの船団に提供しており、「操業の効率化が図れた」など、好評価を得ています。これに漁業者の手で手軽に漁獲データを入力できる漁獲記録機能を加え、2020年春を目指して開発を進めているところです。
この取り組みは東京湾で代々まき網漁業を営む、(株)大傳丸/海光物産(株)との協働プロジェクトで、2018年12月から実際に同船団内に持ち込んで、実装実験を試みていおり、現場からの声を常にフィードバックして、〝より手軽で正確なデータ入力環境〟の構築を目指しています。こうした背景には、(株)大傳丸及び海光物産(株)、両社の代表を務める大野和彦の東京湾漁業に対するサステナビリティーへの熱い思いがありました。「漁獲データを毎投網ごとにメモを取り、シケ間をみてExcelのワークシートに入力しているのだが、ここにITやAIの技術を導入できないものか」という問題提起を受けて、新藤克貴を中心とする(株)ライトハウスの技術者集団が、「ISANA」をベースに本腰を入れて取り組むこととなりました。将来的には、資源評価や資源管理のサポートのみならず、これを起点に流通業者や小売店、飲食店、消費者までデータを共有し、同時にブロックチェーンの活用も視野に入れつつ、サステナブルなブランド構築することを実現していきたいと考えています。
本プロジェクトは、燃費や水揚げの向上など実益の伴う操業の効率化に加えて、資源評価や資源管理にも活用され、トレーサビリティーの確立はIUU漁業撲滅にも貢献し、それを新たな付加価値として、ひいては日本におけるサステナブルシーフードの普及にも広く寄与するものとなり得るものなのです。
海光物産株式会社HP: https://kaikobussan.com/
株式会社ライトハウスHP: https://lighthouse-frontier.tech/
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