JAPAN SUSTAINABLE SEAFOOD AWARD

リーダーシップ部門ファイナリスト

コラボレーション部門ファイナリスト

ファイナリスト紹介

リーダーシップ部門

単独、もしくは複数の企業、組織、個人による、画期的な取り組みで業界のパイオニア的存在となったプロジェクトを表彰します。周囲が次に続くような取り組みであることを重視します。

おいしく楽しく、フードロスゼロを目指す「ふぞろいRadish」

おいしく楽しく、フードロスゼロを目指す「ふぞろいRadish」

オイシックス・ラ・大地(株)
らでぃっしゅぼーや
通販事業本部 販売企画室、プロモーション室
商品本部 商品部、農産部

(ファイナリスト選定理由)
未利用魚や小型の魚の利用と水産資源のサステナビリティの関連性が曖昧ではあるものの、消費者に対するサステナビリティへの入り口としてフードロスを主軸としたコンセプトづくりからブランディング、情報発信、販売管理まで組織的に取り組んでいる点、情報発信の場を設け、取り組みを分かりやすく伝え、新たな価値を創造しようとしている点が優れていました。

「ふぞろいRadish」とは、持続可能な社会の実現を目指し1988年に創業した宅配ブランドらでぃっしゅぼーやが、2021年4月より始動させたフードロス削減と生産者支援のための取り組みです。「見た目より、中身がごちそう」を合言葉に、従来の小売流通の概念にとらわれない多彩な商品やサービスを展開することで、製造・流通・消費の各過程における課題を解決します。
海のフードロス削減においては、「水産品の過剰な選別の見直し」をテーマに活動し、「水産品の“規格”という概念をなくし、海の豊かさや多様性を丸ごと楽しむサステナブルな魚食文化」を新しい価値として提案します。本取組みを通じて、限りある水産資源の有効活用と水産業者の支援の両立を目指します。
取組み開始から4か月目のプロジェクトですが、今後さらに社会課題へのコミットメントを強化していきたく、本アワードにエントリーさせていただきました。

日本の海洋資源の未来を描く

日本の海洋資源の未来を描く

株式会社Innovation Design
株式会社ゲイト

(ファイナリスト選定理由)
未利用魚や小型の魚を使うことが水産資源のサステナビリティにつながるかどうかは不明瞭であるものの、トレーサビリティが確立されていることや、若い世代への水産資源に関する意識啓蒙やペット保有者層等も対象にしようとしている点が評価されました。

Innovation Designが運営するレストランKITCHEN MANEでは、三重県二木島漁港にて環境負荷の少ない定置網漁で水揚げされた魚を提供しております。日本の水産業を持続可能なものにする為に、下記取り組みを行っています。
1、定置網漁で漁獲される魚の中でも小さすぎるなどの理由で価格がつかない未利用魚をレストランで提供。日本文化として “もったいない”という自然への尊敬の念を現代に甦らせるメッセージを発信し続けています。
2、漁師さんより直接届けてもらうことでトレーサビリティの透明化を確保。
3、魚種を指定した発注は行わず、その時に獲れた魚からメニューを考える方法を採用することにより、食品ロス削減に貢献。
4、人の健康だけではなく大切なペットの食事として、水揚げされた魚に熱処理しただけの完全無添加ペットフードの提供。
5、“学びこそ行動の礎”を大切にし、“食”の抱える社会的課題について小中高を対象に出張授業、ソーシャル映画上映会、を行っております。

『世界初 ASC-MSC海藻(藻類)認証取得』で切り拓く、沖縄サステナブルシーフード推進プロジェクト

『世界初 ASC-MSC海藻(藻類)認証取得』で切り拓く、沖縄サステナブルシーフード推進プロジェクト

株式会社ユーグレナ 素材海外事業部 OEM・素材営業課 石垣チーム
八重山殖産株式会社
ユーグレナガーデン
農業生産法人 有限会社伊盛牧場
琉球黒糖株式会社
トキなりフーズ
彩友美リゾート株式会社
那覇ベーカリー

(ファイナリスト選定理由)
サステナブル・シーフードということをどのように訴求していたのかは不明瞭ではあったものの、世界で注目されている藻類において世界で初めてASC-MSC認証を取得した点はインパクトが大きいとされました。また、地域を巻き込んでマーケットを拡大している点も評価されました。

株式会社ユーグレナは2019年1月に世界で初めてユーグレナ・クロレラの「ASC-MSC 海藻(藻類)認証」を取得しました。
沖縄 石垣島の恵みであるユーグレナ・クロレラを“お客様のサステナブルシーフードの新たな選択肢”として、広く普及していく活動を行っております。
2020年3月には、沖縄 石垣島の地域発展も同時に目指した取り組みとして石垣島を拠点に「ユーグレナ石垣ぬちぐすいプロジェクト」をスタートし、石垣島内の企業と協業し、島の特産品の認知拡大を目的に、新メニューや食品開発を行っています。
プロジェクト開始と同時期に新型コロナウイルス感染症の影響で、特産品の開発や販売が滞らざるを得ない状況になりましたが、コロナ禍にこそ、地域振興のためにできることを模索し、「販売元とともに、インターネット通販など新たな販路を模索する」という姿勢で、2021年6月からプロジェクトの展開範囲を沖縄全土に拡大し、サステナブルシーフードの新たな選択肢の更なる普及に努めております。

つきみいくら®~循環型サクラマス養殖で鮭と日本の食文化をサステナブルに~

つきみいくら®~循環型サクラマス養殖で鮭と日本の食文化をサステナブルに~

株式会社 Smolt 代表取締役 上野賢
宮崎大学農学部 教授 内田勝久

(ファイナリスト選定理由)
生産工程のサステナビリティが不明確さが残るものの、天然のサケの漁獲量が低迷している中で、環境負荷の低減を意図した手法で養殖されたサクラマスからいくらを生産するアプローチ方法が評価されました。

弊社は2019年に設立した宮崎大学発のベンチャー企業で、内田教授の考案した循環型のサクラマス養殖システムを活用しています。昨年10月に完全養殖で育てたサクラマスから採卵を行い、プライベートブランド「つきみいくら®」として販売を開始しました。通常のイクラは海を4年回遊して育った天然の鮭から作られてますが、鮭の資源は著しく減少しており、鮭という種の保全に加えて「イクラ」の食文化の持続性が危ぶまれています。当プロジェクトは同じ鮭の仲間のサクラマスから2年の短い期間で持続的にイクラを作り、鮭資源への負担を減らし、かつ食文化として「魚卵」のサステナブルシーフード業界を牽引できるものであります。

「コープサステナブル」“海の資源を守る”シリーズ発売及び「責任ある調達」への取り組み

「コープサステナブル」“海の資源を守る”シリーズ発売及び「責任ある調達」への取り組み

日本生活協同組合連合会

(選定理由)
「コープサステナブル」については、商品供給高に占める同シリーズの構成比目標を発表している点や、共通ロゴマークを付けることで「エコラベルというもの」の存在を認知してもらうアイデアが優れていました。「コープ商品の2030年目標」の策定と、コープ商品「責任ある調達基本方針」の公開は、具体的な数値目標、時間軸が示されるとともに、進捗状況も公開されている点が評価されました。

日本生協連は、「サステナブルな農林畜水産物およびそれらを主原料とするコープ商品(PB)」を「コープサステナブル」シリーズとして2021年春より展開を開始しました。MSC/ASCなどの水産エコラベル認証ラベル付きコープ商品は、共通ロゴ“CO・OPサステナブル”の下に“海の資源を守る”のメッセージを入れ、消費者が売場でサステブル・シーフードを「見つけて選びやすく」しました。
また、2021年5月に、全国の生協で取り組む「生協の2030環境・サステナビリティ政策」の策定に合わせ、「コープ商品の2030年目標」と、サプライチェーンを通じて人権を尊重し、環境に配慮した「責任ある調達」を一層推進する、コープ商品「責任ある調達基本方針」を公開しました。

コラボレーション部門

複数の企業、組織、もしくは個人がノウハウを共有することで実現したプロジェクト(同業者間の協働も含む)を表彰します。複数組織が協働することで業界により大きな影響を与える取り組みであることを重視します。

『和食文化を守るための業種を超えたコラボレーション 世界初MSC鰹削り節プロジェクト』

『和食文化を守るための業種を超えたコラボレーション 世界初MSC鰹削り節プロジェクト』

株式会社きじま
ヤマキ株式会社
WWFジャパン 海洋水産グループ

(ファイナリスト選定理由)
具体的な導入店舗数や、サステナブルな鰹節への年間切替量が不明確ではあるものの、生産現場におけるMSC取得と加工・消費現場におけるCoC認証を確保する、一気通貫型の認証活用が、今後の認証製品の展開のモデルケースと言えます。また、鰹節業界にニーズがあるという希望を示せた点が評価されました。

世界無形文化遺産である和食文化を守るため、和食の根幹をなす出汁の原材料である鰹節を持続可能なものに変えていくためのコラボレーション活動です。水産物の持続性に関する取組みをそれぞれ単独で進めていた和食店きじまと鰹節屋・だし屋のヤマキの橋渡しをWWFジャパンが行い、これを機に今回の2社間パートナーシップが創出され、ヤマキ製のMSC認証かつお削りぶしが和食店・きじまの出汁に全面的に導入され、きじまのお客様に提供されることになりました。
これは、世界で初めてMSC認証のかつお削りぶしが提供されたということだけでなく、出汁という形態でMSC認証製品が流通する初めてのケースとなるため、持続可能なMSC認証製品の拡大につながる大きな一歩となったと思います。

高知と宮崎の近海かつお一本釣り漁業によるMSC認証取得

高知と宮崎の近海かつお一本釣り漁業によるMSC認証取得

高知かつお漁協
(有)明神丸 151明神丸、(有)鳳洋水産 28鳳丸、(有)佐賀勝丸 63佐賀勝丸、(有)丸三水産 福吉丸、(有)日昇 8日昇丸、こんぴら水産(株) 栄吉丸、高知かつお漁協
南郷漁協
(有)由丸水産 八十一号由丸、(有)中野水産 第七十三真海丸、(有)喜與丸水産 第八喜與丸、清龍水産(有) 十八号清龍丸、(有)浅野水産 第五清龍丸、(有)事代水産 第十八事代丸、第十五事代丸、(有)渡邊水産 第二十八一丸、杉本水産(有) 第二十一愛宕丸、岩切水産(有) 八号三代丸、(有)高丸水産 竜喜丸、春日水産(有) 一八春日丸、南郷漁協
鈴木允(事務局)

(選定理由)
沿岸小規模漁業は個人事業者が多く、取得コストがMSC認証を取得する上での障壁となっていますが、複数の漁業者・漁協で取得すればそのコストを下げられる点、また、地域や漁協の枠を超えて、海を守る活動を実行できる点を示せたことが革新的でした。質が良く、マーケットのニーズもある生鮮カツオでは初めての取得という点も評価されました。

高知かつお漁協(高知)と南郷漁協(宮崎)に所属する近海かつお一本釣り漁船18隻により、2021年6月にMSC認証を取得しました。
2019年11月に発足した「近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会」は、2020年7月9日にMSCの本審査に正式に入りました。9月には、水産庁、国際水研(当時)、環境NGOなどの協力のもと、オンラインでの現地視察が行われました。外部査読、公開協議、異議申し立て期間を経て、2021年6月17日付でMSC認証を取得しました。

「ASC認証⿂を捌いて海の資源について学ぶ"親⼦で知る!つくる!⾷べる!"体験」

「ASC認証⿂を捌いて海の資源について学ぶ"親⼦で知る!つくる!⾷べる!"体験」

株式会社ゼットン
⽔産養殖管理協議会(ASCジャパン)
公益財団法⼈世界⾃然保護基⾦ジャパン(WWFジャパン)
日本財団海と⽇本PROJECT
⽇本さばけるプロジェクト

(ファイナリスト選定理由)
単発のイベント、特にコロナ禍においては動員人数も限られることから、効果やインパクトが限定的ではあったものの、サステナブル・シーフードを日本で根付かせるためには不可欠である子どもたちへの教育を展開している点、また、全国展開している飲食店によるイベントであり発信力がある点が評価されました。

今回行った活動は、当社と⽔産養殖管理協議会(ASCジャパン)、公益財団法⼈世界⾃然保護基⾦ジャパン(WWFジャパン)とともに 、日本財団海と⽇本PROJECTの協⼒のもと「⽇本さばけるプロジェクト」とコラボレーションし「ASC認証⿂をさばいて海の資源について学ぶ"親⼦で知る!つくる!⾷べる!"体験」を2020年11⽉29⽇に葛⻄臨海公園内SORAMIDO BBQで開催いたしました。
この取り組みは、普段、生の魚に触れたことがない、魚をさばいたことがない、そんなお子様とご家族にサステナブルシーフードを学んでいただき、実際にさばき、食べていただくことで水産資源の危機やサステナブルシーフードの重要性を身近に感じてもらい、またMSC/ASC認証マークの認知向上につなげることを目的とした取り組みです。