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TSSS 10th Anniversary

東京サステナブルシーフードサミットは
開催10回目を迎えました。

MESSAGE

主催者メッセージ

今回、10回目の開催となる節目のTSSS。ここまでムーブメントが大きくなったのは、ステークホルダーの皆様の本気の努力の成果です。まずは、10年間の軌跡を確認し、ここまでの進捗を祝福し合いたいと思います。

それをベースに、さらに2030目標を達成するために各々がどう連携をしていくのか、皆様と一緒にロードマップを描いていきたいと思います。

日本の水産の歴史上これまでなかったような10年間、そして、これから2030年に向かう所に私たちはいます。

これまで尽力されてきた皆様も、これから新しく取り組みを始めようという方々も、TSSS2024の会場にお集まりいただき、明るい未来を実現しよう! という思いを皆様と分かち合いたいと思っています。

会場でお会いできることを楽しみにしています。

株式会社シーフードレガシー 代表取締役社長
花岡 和佳男

インタビュー
全文はこちら
HISTORY OF MOVEMENT

10年の軌跡

CELEBRATIONS

お祝い・コメント

歴代の登壇者より、
この10年を振り返って
コメントをいただきました。

  • 井植 美奈子

    一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局
    理事長兼CEO

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  • グレゴリー・ヴィ・ブラウン

    グローバル・ダイアログ・オン・シーフード・トレーサビリティ(GDST)
    常務取締役

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  • 臼井 壯太朗

    株式会社臼福本店
    代表取締役社長

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  • ジェニー ・バーカー

    フィッシュワイズ
    エグゼクティブ・ディレクター

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  • 垣添 直也

    一般社団法人 MEL協議会
    会長

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  • ジム・キャノン

    サステナブル・フィシャリーズ・パートナーシップ
    代表取締役社長 創設者

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  • 河口 眞理子

    立教大学 社会デザイン研究科特任教授
    不二製油グループ本社 ESGアドバイザー

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  • クリス・ニネス

    水産養殖管理協議会(ASC)
    CEO

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  • 佐々木 ひろこ

    一般社団法人Chefs for the Blue
    代表理事/フードジャーナリスト

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  • テレサ・イッシュ

    ウォルトンファミリー財団
    環境部門 シニア・プログラムオフィサー

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  • 西 昭彦

    株式会社ニッスイ
    サステナビリティ推進部 部長

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  • フランソワ・モニエ

    プラネット・トラッカー
    海洋チーム長

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  • 長谷川 琢也

    LINEヤフー株式会社 Yahoo! JAPAN SDGs編集長
    一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン Co-Fonder

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  • ルパート・ハウズ

    海洋管理協議会(MSC)
    最高責任者

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  • 藤田 香

    日経ESG
    シニアエディター、兼、東北大学グリーン未来創造機構・大学院生命科学研究科教授

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  • マーティン・エクゼル

    SeaBOS/シーボス(シーフード・ビジネス・フォー・オーシャン・スチュワードシップ)
    マネージング・ダイレクター

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  • 松本 哲

    日本生活協同組合連合会
    ブランド戦略本部 サステナビリティ戦略室(水産担当)

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  • 宮原 正典

    農林水産省顧問
    よろず水産相談室afc.masa代表取締役社長

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垣添 直也

一般社団法人 MEL協議会
会長

長い旅に思う

それは不思議な出会いから始まった。
2014年11月、モントレーベイ水族館がアメリカで展開中の海洋保全啓発プログラム「シーフード・ウオッチ」を日本に紹介するセミナーを開催した。参加者は20名弱、若手の研究者、NGOのメンバー、ビジネス界からは筆者を含めたった3名でメディアは1社のみ。この時の参加者の一人が当時グリーン・ピースのメンバーであった花岡和佳男氏。花岡氏は翌月グリーン・ピースを退職、水産物の持続可能な利用のためのムーブメントを起こしたいと言う思いの具体化に着手。今もセミナー中の花岡氏の黙し難い表情を憶えているが、このセミナーが花岡氏の背中を押したことは想像に難くない。


2015年4月、花岡氏は日経エコロジー(現日経ESG)の藤田香氏を訪ね思いをぶつけ意気投合、TSSSを共同で開催することに合意したという。そして、7月にシーフード・レガシー社を設立。11月に第1回TSSSが開催される。まだ日本からの登壇者が限られる中、勇気ある船出であった。

筆者は1994年10月にロンドンで開催されたGFF(Ground Fish Forum:ヨーロッパの水産関連事業者による資源保護と魚価安定のための私的な集り)に特別ゲストとして招かれ、後にEUの共通漁業政策あるいは水産エコラベルに繋がる議論に衝撃を受けていた。そこから筆者の長い旅が始まる。やがて筆者はニッスイの社長として持続可能な水産事業をグループ内に浸透、定着させることを推進する立場となり、その後もライフワークとして力を尽くすことになる。


2016年5月、自民党の水産基本政策小委員会(当時)が日本における水産物の持続可能な利用について、目前に迫ったオリ・パラや輸出拡大に対応可能かとの問題提起をした。有識者会議による世界の情勢の調査を経て、「国際標準化実現」をミッションとして一般社団法人MEL協議会が設立された。筆者は図らずもMEL協議会の会長をお引き受けすることとなり、「日本発の世界が認める水産エコラベルをつくる」を旗印に活動を開始した。周囲の冷たい目の中、実に存在感の薄い門出であったが、2017年5月に閣議決定された水産基本計画(第4次)に政策として「水産エコラベルの推進」が明示され状況は一変する。

黎明期に花岡和佳男氏の情熱が藤田香氏を動かして始まった小さなムーブメントは、次にやって来る国連総会におけるSDGs採択もあり、政治が動き、行政が動き、社会全体を巻き込む大きなうねりとなった。そしてTSSSは、日本だけでなく世界が共鳴する大きなムーブメントとして、今年2024年10月に10回目の節目を迎えようとしている。

不思議な縁で主人公と遠くない距離感で歩いて来た一人として、今「情熱と行動が生み出したムーブメント」の盛り上がりの先に続くであろう長い旅を万感の思いで噛み締めている。

松本 哲

日本生活協同組合連合会
ブランド戦略本部 サステナビリティ戦略室(水産担当)

日本での取り組みがTSSSを通じて加速

TSSSがスタートした2015年、国連でSDGsが採択されましたが「持続可能」や「サステナブル」という言葉自体、まだ一般的ではありませんでした。
TSSSへの参加を通じて、欧米企業やNGOの活動を学び、国際的なネットワークにつながることで、日本でも事業者の認識や取り組みが進んできたと実感しています。

また、この10年間に漁業法の改正や水産流通適正化法などが実現したことは、重要な出来事でした。
一方、「大衆魚」と呼ばれたスルメイカ、サンマなどの漁獲量の激減や水産物価格の上昇は、消費者のくらしに大きく影響しています。TSSSが、これからも多くのステークホルダーの方々と協働できる場として発展することを期待しています。

西 昭彦

株式会社ニッスイ
サステナビリティ推進部 部長

TSSS第10回開催 おめでとうございます

東京サステナブルシーフードサミットが第10回という大きな節目を迎えられますことを心からお祝い申し上げます。

TSSSが2015年に初開催された当時は、サスナビリティという言葉自体も水産業界に浸透していなかったと聞いています。そしてこの10年で、日本におけるサステナブルシーフードへの関心は大きく高まりました。そのムーブメント醸成に向けてTSSSが果たしてきた役割はとても大きいと考えます。

業界に目を向けると、この10年で多くのポジティブな変化が見られました。持続可能な漁業や養殖業の実現に向け、新たなルールメイキングや事業者の取り組みが進み、TNFDやブルーファイナンスなど、それらを後押しするようにお金の流れも変わりつつあります。

しかしながら、過剰漁獲、海洋汚染、気候変動やサプライチェーンの人権など、私たちにはまだ、解決すべき課題が山積しています。それらに対処するためには、さらなる連携が必要です。食料の供給や気候変動の緩和、地域活性化など、海洋は持続可能な開発において重要な役割を期待されていますし、責任を持って適切に管理し、利活用することでその大きな可能性をさらに引き出せると信じています。

日本の水産流通におけるサステナブルシーフードの主流化に向け、TSSSがネットワーキング・プラットフォームとしての機能を今後さらに発揮し、ステークホルダー間の連携がより一層進むことを願っています。

宮原 正典

農林水産省顧問
よろず水産相談室afc.masa代表取締役社長

近年、魚のサステナビリティについて大きく進んだ点は、2018年漁業法改正による水産政策の改革と太平洋クロマグロの資源管理とがあげられます。
前者は70年ぶりの大きな法改正の後、実施には漁業者と行政との間で厳しい軋轢を生んだものの現在ようやく軌道に乗りつつあります。
後者は2015年からの厳しい漁獲枠管理に全国の漁業者が苦しみながらも努力を重ねた結果、現在急激に資源が回復しています。

水産資源を次世代に健全な状態で受け継いでいく仕事は、漁業関係者ばかりでなく消費者や流通業者、さらには市民の理解と支援なくしては達成できません。
緊密なネットワークの下で、道半ばの仕事を今後も継続していかなければならないと痛感しています。

藤田 香

日経ESG
シニアエディター、兼、東北大学グリーン未来創造機構・大学院生命科学研究科教授

TSSSの発足は、2015年に花岡さんが私のオフィスを訪ねて来たのがきっかけでした。水産や環境の専門知識がある花岡さんの「企業と共に社会を変えたい」という思いに触れ、生物多様性や企業の動きを知る自分が組めば面白い企画ができると思いました。
こうして日経ESGとシーフードレガシー共催のTSSSが始まりました。

この10年間にSDGsや東京五輪、ESG投融資の活発化、ネイチャーポジティブの動きがあり、TSSSも調達から人権配慮、IoT活用、金融、国際連携へとテーマを広げました。多様なステークホルダーが議論するという精神を大切に、TSSSの未来を紡いでいきたいです。

井植 美奈子

一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局
理事長兼CEO

NGOと政府のベクトルが変化

この10年で最も変わったと感じるのはNGOと政府のベクトルだと思います。
2018年の改正漁業法成立を境に、それまで真逆だったベクトルが同じ方向を向いたと実感しています。

2020年の水産流通適正化法成立時には、TSSSのパネルで水産庁の代表と有意義な議論が出来ました。
2023年のパネルでは、日米欧韓のNGO代表が自国の最新情報を持ち寄りました。
NGOの魅力は国際間をスピードと自由度を持ってつなぎ、新たな価値を創造するプラットフォームを提供する力です。
国際協調が必須の課題である今、国内外の多様なステークホルダーと協力をしつつ、海洋環境の改善による持続可能な社会の実現を目指し続けたいと思います。

佐々木 ひろこ

一般社団法人Chefs for the Blue
代表理事/フードジャーナリスト

漁業法改正で社会の動きが変化

過去10年の間の大きなトピックは、やはり2020年の改正漁業法施行だと思います。
ちょうどコロナ禍にあって、食に対する生活者意識に変化が見られた時期と重なり、行政はもちろん社会の動きが大きく変わったことを覚えています。

例えば私たちに対するご取材でも、従前の食メディアに加え経済誌やファッション誌、新聞の経済面・社会面やテレビのニュースなど、様々なプレスからの取り上げが急増したことでその変化を体感しました。

一方で、国内の水産資源管理は当初の計画通りに進んでおらず、日本の海の生産量は今も減少中です。
さらなるムーブメント推進が急務であり、今後サプライチェーン全体で海を支える体制づくりが必要だと思っています。

河口 眞理子

立教大学 社会デザイン研究科特任教授
不二製油グループ本社 ESGアドバイザー

東京サステナブルシーフードサミット(TSSS)第10回目の開催、本当におめでとうございます。

思えば遥か昔のようですが、あっという間の10年でした。花岡さんとの出会いは、2013年パッカード財団が米国モントレーで開催したサステナブルシーフードのイベントでした。
恥ずかしながら私は、企業の環境経営を専門にしながら欧州のMSCの動きに対して「肉食文化の欧米が、水産物の保全に熱心な理由をしっかり理解できておらず。魚食大国の日本は昔からサステナブルな漁業をおこなってきた(はず)」。とも思い込んでいました。

その思い込みを打ち砕いてくれたのがモントレーでの出会いと学びでした。世界的に水産業は成長産業で、水産資源に対する関心が非常に高まり、乱獲を回避するために多くの水産先進国は資源管理型漁業に舵をきっている。それに対して魚好きを自称しながらも「持続可能な水産業」という概念が欠如している日本社会の現状とのギャップに愕然としました。
そのモントレーの出会いから半年後、花岡さんが、サステナブルシーフードを推進する会社を立ち上げると相談に来られたときには、その志を大変頼もしく感じました。しかし日本社会の水産資源に対する素朴な認識の低さや、古い業界慣行に触れるにつれ、「変える」ことの困難さから、果たしてどこまで、できるのか不安もありました。

TSSSも開催最初は、漁業関係者や環境問題に関心のあるごく一部の人たちの狭い情報交換の場でしたので、継続できるのだろうかと内心ヒヤヒヤしたこともありましたが、花岡チームが粘り強くかつ情熱的に迷うことなく、開催を継続していく中で、参加者の顔ぶれも、年を追うごとに多様化し、規模も拡大し、今や持続可能な水産業にかかわる多くのステークホルダーの拠点になっています。その結果、水産流通適正化法が施行され、水産業だけでなく今や広く金融業界も含め、水産資源に対する認識が共有でき、持続可能な漁業の広がりだけでなく、ブルーボンドなど金融商品まで開発されるようになったのは、嬉しい驚きです。この10年を助走期間として、次に更なる飛躍を期待しています。

長谷川 琢也

LINEヤフー株式会社 Yahoo! JAPAN SDGs編集長
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン Co-Fonder

10年間で各地にヒーローが登場

2011年の東日本大震災をきっかけに、漁業を「カッコよくて、稼げて、革新的」な新3K産業に変えるべく立ち上がったフィッシャーマン・ジャパン(FJ)も、法人設立からちょうど10年になります。

この10年でFJメンバーを始め、各地で海や魚を未来に残すべく動き始めた漁師たちがたくさんいます。彼ら彼女たちは、まさに地域のヒーローと呼べる存在になってきました。
サステナブル・シーフードの推進は海と共に生きる「人」からしか始まりません。

この10年のホットトピックはまさに各地でヒーローが登場したことではないでしょうか。
課題はまだまだありますが、それもきっと各地のヒーローたちが乗り越えていってくれることでしょう。

臼井 壯太朗

株式会社臼福本店
代表取締役社長

IUU漁業を撲滅する約束をどう果たすか

2019年のG20大阪サミットでは「IUU漁業に対処する重要性を認識し、世界からIUU漁業を終わらせる」ことが約束されました。
欧米はこのサミットより前から世界に先駆け、IUU由来の漁獲物を市場から撲滅するための新法やプログラムを作り、率先して行動をしてきました。
しかし、一方で日本は世界から輸入されてくる安価なIUU漁獲物によって、浜値は暴落、真面目に漁業を行う生産者が再生産不可能な状況となっています。

今後、我が国はどのようにしてこの国際約束を果たしていくのか、また、私たち漁業者はどのようにしてこの歴史ある漁業を守り伝えていくか、考え、行動していかなくてはなりません。

ジム・キャノン

サステナブル・フィシャリーズ・パートナーシップ
代表取締役社長 創設者

シーフードレガシーと東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)のこれまでの年月にわたる取り組みに対しお祝い申し上げます。TSSSは、多くの重要な点で、日本の業界、社会、政府の連携を促進してきました。企業が互いに学び合い、過去の失敗から学び、パフォーマンスを向上させるために何をすべきかを考えるきっかけを与えてきたと思います。

漁業の改善と海洋保護は長期的な課題です。 水産業界では2030年までに3つの大きな変化を起こすことが必要不可欠です。1つ目は、ほとんどの国や政府は、単独で漁業を効果的に管理することができないと認識することです。政府と協力して解決策を提供する方法を見つけ出すことは業界の役割です。2つ目は、持続可能性が単なるプロジェクトではなく、ビジネスの長期的な部分を成すものであり中核的な要素であると理解することです。 そして3つ目は、海を守るためにはエコシステム全体で大規模に取り組む必要があると認識することです。

シーフードレガシーがありTSSSが開催される日本は、2030年までにサステナブルシーフード・ムーブメントにおけるこの重要な変革を大いにリードする立場にあると思います。そのビジョンの実現に向けて皆様と共に取り組むことを楽しみにしています。

テレサ・イッシュ

ウォルトンファミリー財団
環境部門 シニア・プログラムオフィサー

10回目の東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)に参加できることに非常に嬉しく思います。10年前、日本ではサステナブル・シーフードや持続可能な漁業の重要性に対する認識がとても低い状態でした。

日本は世界の水産物消費大国の一つであるため、日本がアクションに参加しないことは、世界の漁業改善の取り組みに大きな支障をきたすものでした。シーフードレガシーとの取り組みを始めた当初、日本の目標は他国の取り組みから学び、そのレベルに追いつくことでした。私たちは、人権デューデリジェンス、金融市場における新しいツール、透明性の確保やリーダーシップの重要性などについて考える必要があることを学んできました。そして今、日本はこれらの分野で輝き始めています。今後、日本は他の市場に追いつこうとするのではなく、こういった問題におけるリーダーとなっていくでしょう。

第10回TSSSでは、日本のリーダーシップが表れ、日本の水産会社や金融市場が、いかにビジネスと海洋の健全性におけるサステナビリティの重要性を理解し、推進し始めているかを見られることを期待しています。

ジェニー ・バーカー

フィッシュワイズ
エグゼクティブ・ディレクター

10回目の東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)にあたり、シーフードレガシーに心よりお祝い申し上げます。

このサミットは、グローバルな舞台でサステナブル・シーフードについて話し合う重要な会議です。環境の持続可能性だけでなく、水産物サプライチェーンにおける人権と社会的責任についても世界的に重要な議論が行われています。

フィッシュワイズが長年にわたりTSSSに携わってきたことをとても嬉しく思います。そして今後も、シーフードレガシーと共に、人権デューデリジェンスの分野で企業と協働し、世界中のサプライチェーンの改善に向けた取り組みを続けてまいります。

また、日本で水産物サプライチェーンの実務と規制に進展が見られ、サステナブル・シーフードの推進、IUU漁業の撲滅、水産物サプライチェーンにおける人権擁護において、日本がグローバルリーダーとなっていることを大変喜ばしく思います。

日本が今後も世界のコミュニティにおいて、持続可能性のリーダーであり続けることを期待しています。フィッシュワイズとシーフードレガシーのパートナーシップを通じて、引き続きその取り組みをサポートしていきたいと思います。2024年10月、東京でお会いできることを楽しみにしています。

フランソワ・モニエ

プラネット・トラッカー
海洋チーム長

TSSSの10年目をお祝いできることを本当に嬉しく思います。この重要なイベントが年々成長していく様子を見られたのは喜ばしいことでした。私は幸運にもこのイベントに貢献し、招待される機会に恵まれましたが、それは常に喜びであり、また持続可能性への日本の旅路における非常に重要な瞬間でもありました。

シーフードレガシーの活動について、私が長年感銘を受けているのは、幅広い関係者の協力を束ねて、日本の水産物のサステナビリティ向上に貢献してきたことです。IUU漁業や輸入規制に関する法改正など、私たちが祝うべき変化がありました。これは大きな節目です。

しかし、企業レベルでも、私たちは常に更なる取り組みを求めてきました。確かに、混獲の削減やゴーストフィッシング対策など、日本でも積極的に取り組んできた企業もありますが、まだまだ多くの課題が残っています。私たちは乱獲に取り組み、サプライチェーンの透明性を向上させ、モニタリングを強化し、人権問題に対処する必要があります。これらはすべて、環境面や社会的な理由だけでなく、経済的な理由からも非常に重要だからです。

2030年までに、日本の水産物における違法漁業と乱獲の撲滅をお祝いできることを願っています。そう、2030年にその瞬間を皆さんと一緒にお祝いしたいと思います。

クリス・ニネス

水産養殖管理協議会(ASC)
CEO

TSSSが10年目を迎えるとは信じられない気持ちです。私は、シーフードレガシーの野心的な目標について最初にプレゼンテーションをしていた頃を鮮明に思い出すことができます。あなた方の尽力で大きな変化がもたらされたことを、心からお祝い申し上げます。

日本のサステナブル・シーフードの歴史を振り返ると、ここ10年のTSSSは多くのアクションを促進し、多大なる貢献をしてきました。

日本は遠洋漁業、沿岸漁業、沿岸コミュニティにおいて長い歴史を持ち、常に水産業界のリーダー的存在でした。そして今では養殖業も盛んです。私の見方では、水産物は常に日本文化の中心にありました。そして私が経験した最も素晴らしい魚料理は日本で食べたものでした。

大手の水産企業はすべて日本に拠点を置いており、日本の基準では小規模な企業でさえ、他の市場の企業よりも大きいのです。ですから国際的にも大きな存在感があります。日本は地域内の多くの水産物を引きつける市場です。日本の影響力は地域全体に及び、サプライチェーンがサステナビリティに取り組むことで、地域がその恩恵を受けるのです。

サステナブル・シーフードへの取り組みにおいて、他の国と比べると日本のアプローチは慎重でした。それでも着実な進歩を遂げてきたのであり、それは祝福すべきことです。

日本の歴史、市場で起きていること、消費者の動向を考えると、サステナブル・シーフードへの関心ははるかに高まっており、それが市場でのより野心的なアクションにつながっていくと思います。だから私は市場に大きな期待を寄せています。日本のサステナブル・シーフードには素晴らしい未来があり、TSSSは未来への旅路において素晴らしいパートナーになることでしょう。

ルパート・ハウズ

海洋管理協議会(MSC)
最高責任者

東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)の10周年、おめでとうございます。TSSSは日本において持続可能な漁業を推進するために、10年にわたってパートナーシップを大切にしながら取り組みを進めてきました。この記念すべき年にシーフードレガシーのパートナーとして立ち会えることを大変喜ばしく思います。

TSSSは、持続可能な海を将来に残すために取り組んでいる方々にとって特別なものです。豊かな水産資源と活力ある水産業界を有する日本は、世界の水産市場の方向性を定める極めて重要な役割を担っています。
TSSSはこの10年間、水産業界のリーダーや政策立案者、ステークホルダーが一堂に会し、海が直面している喫緊の課題の解決に向けた動きを促進してきました。TSSSを始めとするシーフードレガシーが主導する取り組みを通じて、私たちはサステナブル・シーフードを調達し販売するための取り組みが広がっていくのを見てきました。私たちは共に、持続可能な漁業を推進し、サステナブル・シーフードを促進し、消費者に対しては持続可能な選択を促してきました。

2050年までには水産物への需要が倍増すると予測される中、すべての漁業が持続可能となるよう管理がなされ、世界に広がる水産業からの恩恵を受けている人々の生活を守り、海の健全性と食糧安全保障に貢献するために、私たちはいっそうの努力を重ねなければなりません。

国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」におけるSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」を達成するために、私たちのパートナーのリーダーシップを通じて、MSCは希望と決意をもって、2030年までに世界の天然漁業による漁獲量の3分の1以上をMSCプログラム参加漁業によるものにするという目標を掲げています。

私たちは今、歴史の重要な岐路に立たされており、今日下す決断が、今後何世代にもわたって海洋の未来を形作ることになるのです。日本の水産業界には、継続的な進歩と革新があると見ています。2030年までに、サプライチェーンのあらゆるレベルにおいて、サステナビリティを最優先とする活気ある市場が実現することを期待しています。私たちは共に、真に持続可能な水産業を実現できると信じています。

この10年間に日本の水産業界ではサステナビリティにおいて大きな進捗がありました。13の漁業者がMSC漁業認証を取得し、海洋環境の保護および責任ある漁業慣行を実践しています。 また、日本でもより持続可能な水産物に切り替えるべきだと考える消費者が増えていますが、400近い事業者がMSC CoC認証を取得したことで、その選択肢が増えました。多くのCoC認証取得事業者は、サステナビリティを負担としてではなく、成長や革新、さらには将来への投資の機会として受け入れています。

私たちの仕事はまだ終わっていません。将来を見据え、あらゆる漁業、あらゆる市場、あらゆる消費者にとってサステナビリティが基本理念となるよう、努力を重ねる必要があります。健全な海、繁栄する地域社会、サステナブル・シーフードが広がる将来を共に築いていきましょう。この重要なミッションに対するシーフードレガシーの献身、情熱、そしてパートナーシップに感謝いたします。

マーティン・エクゼル

SeaBOS/シーボス(シーフード・ビジネス・フォー・オーシャン・スチュワードシップ)
マネージング・ダイレクター

日本は過去10年間で大きな進歩を遂げ、とくにTSSSがその動きの中心にあると思います。TSSSは、人々がアイデアを出し合い、対話を行い、お互いの立場を理解し、そしてそれぞれの組織や地域に帰ってから、そこでどのように変革を実行できるかを考える場を提供し、日本におけるサステナブル・シーフードを強力に提唱してきました。人々に何をすべきかを説教するのではなく、誰もが協力できるソリューションを生み出しているのは本当に重要なことです。

私が45年前に水産業界でキャリアをスタートした頃、日本の消費者は日本で漁獲または生産された水産物であれば持続可能であると考えていました。しかし40年経つうちに、我々は、もう少し何とかする必要があると認識するようになりました。科学を導入し、水産物が持続可能な方法で生産されるよう保証する必要があります。おそらく、漁の方法や漁獲量を変える必要があるのでしょう。

私にとって、それは自分がSeaBOSでやってきた過去5年間の際立った変化であり、外から見守りつつ、その変化に携わったことは非常に特別な経験でした。なぜなら、日本は単に水産物に依存しているのではなく、水産物は日本の核心にあるものだからです。だから、私たちはそれを大切にしなければなりません。

2030年までに解決策を生み出すために、日本の水産会社の間でより大きな集団的なアクションや協力が見られるようになると信じています。日本の水産業界のリーダーたちが立ち上がり、水産物の生産における重要な課題に対処するために彼らが実行したアクションと具体的な成果、あるいは現在進行中の取り組みをTSSSで発表する姿を見ることができれば素晴らしいですね。

グレゴリー・ヴィ・ブラウン

グローバル・ダイアログ・オン・シーフード・トレーサビリティ(GDST)
常務取締役

今年、東京サステナブルシーフードサミット(TSSS)に参加できることを大変誇らしく光栄に思います。エキサイティングなことです。なぜなら、サミットではサステナビリティの分野で10年にわたる成功を祝うことができるからです。
シーフードレガシーほど日本に目立った変化をもたらした組織はなく、彼らが行ってきたこの重要な仕事に私たちが関われることを誇りに思ってきました。
シーフードレガシーが2030年そしてさらなる未来に向けて日本の水産市場で取り組んでいるサステナビリティに関する目標を私たちがサポートするのは重要なことです。私たちはトレーサビリティをこの目標の重要な側面と捉えており、GDST基準に従ったトレーサビリティの日本での実施を100%後押ししています。
シーフードレガシーのプログラム、特にTSSSでもう一つ本当に興味深いのは、日本のサステナビリティプログラムを実際に把握できることです。一つの場所、一つのイベントで、国内、世界の各地域、そして、世界全体の取り組みを見ることができ、それらすべてが日本市場でどのように結びついているかを知ることができます。それは私たちにとって非常にエキサイティングなことです。

INTERVIEW

主催者インタビュー

サステナブルシーフードを主流に

2024年、東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)は10回目の節目を迎えます。水産業界のサステナビリティ推進のために、ステークホルダーのプラットフォームとしてTSSSを開催し、ムーブメントを牽引してきたシーフードレガシー代表取締役社長の花岡和佳男が、この10年間を振り返り、また、2030年に向けた目標「サステナブルシーフードを日本の水産流通の主流に」を語りました。

花岡 和佳男(はなおか わかお)

フロリダ工科大学で海洋環境学および海洋生物学を専攻した後、モルディブとマレーシアにおいて海洋環境保全事業に従事、2007年からは国際環境NGO日本支部にて、サステナブルシーフード・プロジェクトを推進した。2015年7月に独立し、株式会社シーフードレガシーを創立、代表取締役社長に就任。環境持続性および社会的責任が追求された水産物を日本を中心としたアジア全域において主流化させるためのシステムシフトを牽引している。
先見性のあるビジョンと国内外の水産業界、金融機関、政府、NGO、アカデミア、メディアなど、多様なステークホルダーをつなぐ、その卓越したリーダーシップにより、アジアの水産業界における革新的なリーダーとして注目されている。

インタビューのダイジェスト動画はこちら

  • TSSS立ち上げ当時を振り返る

    ―東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)が10年目を迎えました。そもそもなぜ、TSSSを開催したのでしょうか?
    10年前、日本の水産業界にはサステナビリティのコンセプトがほとんど浸透していませんでした。日本の“乱獲・乱売・乱食”が国際的なバッシングの対象になる一方、国内では「魚を獲って食べるのは日本の文化。海外からとやかく言われたくない」という考えが主流でした。この先も日本が問題を直視しないままであれば、周りの海から魚がどんどんいなくなってしまい、水産業界、さらには環境・社会・経済も衰退してしまうのではないか。それが当時の私の懸念でした。
    私は8年間、国際NGOで海洋環境を担当し、日本政府や日本企業に問題提起を続けていました。活動の末、問題提起から解決への道筋作りに日本でもフェーズがシフトしたことを実感し、独立して2015年にシーフードレガシーを起業しました。
    実は、日本にも問題意識を持った方々はたくさんいたのですが、当時は声を上げるのが難しい状況でした。そういう方々が声を出し合うプラットフォームが必要だし、ムーブメントを盛り上げるフラッグシップイベントをやろうと考え、東京サステナブルシーフード・シンポジウム(現:東京サステナブルシーフード・サミット、以下TSSS)を開催しました。

    ―2015年の第1回TSSSはどれぐらいの規模だったのですか?
    どれぐらいの人が集まるのか心配でしたが、400名近いご参加がありました。半日のプログラムで、登壇者10人のうち日本企業からは1人だけでしたね。海外のフロントランナーにお越しいただき、欧米でのイニシアティブやこの先の国際的な潮流などを日本の皆様に語っていただきました。

  • この10年間の日本の水産業界の変化

    ―この10年間、日本の水産サステナビリティはどのように進展してきましたか?
    日本の水産業界にこれほどパラダイムシフトが起きた10年はありません。
    政策面では、2018年に漁業法の改正がありました。終戦直後にできた法律のもとでそのまま約70年間、漁業を続けてきた結果、日本の周りの海から魚がどんどん減ってしまいました。70年ぶりの大改正で「水産資源の持続的な利用を確保すること」を明記したのは大きな変化です。
    また、2020年には特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産流通適正化法)が成立しました。日本で消費される魚の半分は輸入でまかなわれています。過剰漁獲やIUU(違法・無報告・無規制)漁業によって獲られた魚も日本市場に入ってきてしまうという問題の解決に向けて、日本で初めて、水産流通を管理する法律ができたのです。
    業界を見ると、今では経営方針でサステナビリティに言及しない大手の小売企業や水産会社を見つけるのが難しいぐらいです。加えて、最近はESG投融資が拡大し、気候変動だけでなく、自然資本および生物多様性に関する指標も導入され、水産分野でもESGの視点を重視する投融資機関が増えています。
    そして漁業現場では、認証の取得や漁業改善に取り組む動きが増えてきました。また、震災をきっかけに「三陸の海から水産業における“新3K(カッコいい、稼げる、革新的)”を実行するトップランナーになる」という活動理念を掲げて後継者不足をはじめとする地元水産業の課題に挑んできたフィッシャーマン・ジャパンのように、若い世代の漁業者さんたちが、「俺たちの未来」のためにプラットフォームをつくって行動しています。
    メディアを見ても、サステナビリティの追求はビジネスの弊害だという論調は姿を消しました。

    ―そのような変化において、年に一度、TSSSの開催を続けてきた成果をどうとらえていますか?
    TSSSは変革のきっかけなんです。集まった参加者から新しいプロジェクトが生まれ、プロジェクトの進捗を発表し、周囲に評価されることがさらなるモチベーションになるようなプラットフォームとして機能していることを嬉しく思います。
    当初、日本政府の方々は、サステナブルという言葉を掲げるTSSSに公に参加するのを躊躇する感じがありましたが、今や毎年のように水産庁長官や幹部の方々が登壇し、新しい水産政策を発信する場にもなっています。
    コロナ禍で2020年東京オリンピック・パラリンピックが、翌2021年に延期の上、無観客開催となり、水産サステナビリティのムーブメントの盛り上がりとしては打撃を受けるといった苦労もありましたが、ステークホルダーの皆様と共に乗り越え、サステナビリティのアクセルが弱まることはありませんでした。400人の「シンポジウム」でスタートして裾野を広げていくフェーズから、2020年には3,800人を超える方々がオンラインで視聴され、高みを目指すフェーズに変わってきたのを感じて、2021年からTSSSの最後の「S」を「サミット(Summit)」に変えました。

  • 2030年までにサステナブルシーフードを主流に

    ―10年目の節目として、TSSSでは2030年までに「サステナブルシーフードを主流に」という2030目標を掲げます。どういう目標なのかご説明ください。
    私たちが目指すのは、海に関わる全ての人が笑顔と活気に包まれ、未来に希望の明かりが灯る世界の実現です。国際食となった寿司の発祥の地である日本を、次はサステナブルシーフードの国際首都としたい。未来世代への責任を果たそうとするステークホルダーが、不当な価格競争に晒されている現状を打破したい。そのために、水産市場から乱獲、IUU漁業、労働者の人権侵害といったリスクを排除していくのが、私たちのアプローチです。そのわかりやすい“旗”として、「サステナブルシーフードを主流に」という言葉を選びました。

    ―2030目標を達成する上で、日本の強みは何でしょうか。
    たくさんあります。世界の大手水産企業100社のうち、最も多くの企業が本社を構えているのは日本なのです。ですから、日本企業がリーダーシップを取れば、ビジネスの力で物事を動かし、国内外の水産業を基幹産業とする地域社会の課題解決と持続的繁栄に貢献できます。
    また、日本は世界第三の水産物輸入国です。それだけ多くの魚が世界中から日本に集まってくるわけで、日本のマーケットパワーは、それを正しく使うことで、国内だけでなく世界中の水産現場に対して改善へのインセンティブを提供できます。必要なのは、問題を抱えるサプライヤーをすぐに切り捨てるのではなく、その解決をサプライチェーン全体が支援する体制構築。これは、これまで培われてきた日本型ビジネススタイルと相性が良いと言えます。
    日本はかつて世界最大の水産大国だった時代もありました。しかしその勢いは急速に失われ、今や水産資源の減少と産業の衰退化に歯止めをかけられなくなって久しいというのが、今の日本の水産業界が国際社会に見せている姿です。崩壊した大量生産大量消費型ビジネスモデルにすがり続けるのか、あるいは責任生産責任消費型に舵を切るのか。日本には過去の経験を糧にグローバルリーダーとしてタクトを振るポテンシャルがあるのです。日本がとる次の一手は、今ならまだ国際評価を受けることができます。
    さらに、日本は世界6位の排他的経済水域(EEZ)を誇る豊かな海に囲まれており、沿岸では津々浦々で多様な漁業が代々営まれています。そのおかげで、寿司をはじめ、世界がリスペクトする魚食文化を持っているのです。
    ビジネスパワー、国際的関心、そして豊かな漁場と食文化。日本が持つこれらのポテンシャルは2030目標を達成する上で大きな力になると思います。

  • 2030目標の達成に向けて

    ―日本の強みを活かして2030目標を達成するには何が必要でしょうか?
    業界全体のシステムチェンジです。大きな決断力と実行力が日本に求められています。だからこそ私たちシーフードレガシーは日本に拠点を構えています。日本の経験と強みを未来世代の豊かさのために活かせたら、国内だけでなく世界に貢献できると強く信じています。
    決断と実行のために、共通ビジョンとして2030目標を共有し、企業や行政の各組織内に、本気で取り組むリーダーシップが必要です。そのために、シーフードレガシーではコンサルティングや政策提言を行っています。
    小売りや飲食店、サプライヤーなど、川下側の企業では、人権デューデリジェンスの構築、フルチェーン・トレーサビリティの導入などが、ますます重要になってきます。
    川上の生産者は、DXによる海洋環境データの収集・解析・活用の強化、補助金依存体質からの脱却、さらに海外のサステナブル・シーフード市場に参入する形を整えることも重要です。そこに向けたESG投融資などのインセンティブを増やしていくのも、私達の戦略の一つです。
    各セクターのリーダーが、個別に動くだけでは限界があります。それぞれのイニシアティブを組み合わせていくために、シーフードレガシーはTSSSをはじめ、複数のプラットフォームを運営しています。
    このムーブメントは、市場の変化と政策の転換が二足歩行を繰り返して成長していくものだと思います。私たちはそれを“セオリー・オブ・チェンジ”として描いて、二足歩行のペースをできる限り速く、そして、間違いのない方向に持っていけるよう、日々活動していきます。

    ―最後に、TSSS2024の来場者へのメッセージをお願いします。
    10回目の開催となる節目のTSSSです。ここまでムーブメントが大きくなったのは、ステークホルダーの皆様の本気の努力の成果です。まずは、10年間の軌跡を確認し、ここまでの進捗を祝福し合いたいと思います。それをベースに、さらに2030目標を達成するために各々がどう連携をしていくのか、皆様と一緒にロードマップを描いていきたいです。
    日本の水産の歴史上これまでなかったような10年間、そして、これから2030年に向かう所に私たちはいます。これまで尽力されてきた皆様も、これから新しく取り組みを始めようという方々も、TSSS2024の会場にお集まりいただき、明るい未来を実現しよう!という思いを皆様と分かち合いたいと思っています。会場でお会いできることを楽しみにしています。

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「豊かな海を次世代へ」というコンセプトのもと、
サステナブル・シーフードの未来をつくる、
海のイノベーターたちを紹介します。

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