ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)は環境や地域社会や人に配慮した、責任ある養殖により生産された水産物を対象とする認証制度を運営しています。
ASCは、養殖業者の参加によって成長を遂げており、世界で約2000カ所のASC認証養殖場が存在しています。また、CoC認証企業も約2700社ほどに増えています。ASC認証製品の品目数も増加しており、現在は約27,000品目以上が存在しています。ASCの最新動向や2022年の年次報告書などの資料もございますので、是非ともブースにお立ち寄りください。
GSA(Global Seafood Alliance)は、教育、政策提言、第三者認証を通じて、責任ある水産業の実践を推進する国際的な非営利の業界団体であり、1997年に設立しました。アメリカ合衆国ニューハンプシャー州ポーツマスに本部を置いております。 特に認証に関してはBAP(Best Aquaculture Practices)とBSP(Best Seafood Practices)の認証プログラムの開発を通じて、天然及び養殖水産物の保証を提供しております。 GSA の活動は、環境への責任や社会への責任から食品安全、動物の健康と福祉まであらゆる領域に及んでいます。
BAP認証について
BAP(Best Aquaculture Practices)認証は、養殖水産物のふ化場、飼料工場、養殖場、加工工場を対象とし、その全ての段階において環境や社会への責任、養殖される魚介類の健康、食品安全を保証する認証制度です。
BAP認証の基準は、以下の4つの柱により構成されています。
-環境への責任
-養殖される魚介類の健康と福祉
-食品安全
-社会への責任
2023年5月時点、生産現場では36カ国、30魚種、3,053施設で認証を取得しており、BAP認証水産物の世界合計は 282万6576トンです。
BSP認証について
BSP(Best Seafood Practices)認証は、教育、政策提言、第三者保証を通じて責任ある水産業の実践を推進する国際非営利団体、グローバル・シーフード・アライアンスが運営する第三者認証制度です。
MSC(海洋管理協議会)は、将来の世代まで水産資源を残していくために、MSC認証制度とMSC「海のエコラベル」を通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体です。
MSC認証制度や、最近の動向等についてブースでご説明させていただきます。ご来場をお待ちしております。
GLOBALG.A.P.は、ドイツのケルンを本拠とするFoodPLUS GmbHが、生産者や小売業者など食品業界全体の関係者の協力を得て開発した責任ある「農業・水産養殖業」を保証する認証のブランドです。 GLOBALG.A.P.の水産養殖の規格は、孵化場、稚魚、餌、養殖、漁獲、輸送まで生産工程の全体を対象としています。
GLOBALG.A.P.は、責任ある農業・水産養殖業を保証する認証です。日本では農業の認証として知られることが多いかもしれませんが、水産養殖の分野でも世界で広く活用いただいています。GLOBALG.A.P.認証を取得した養殖場で生産される水産物は世界で年間260万トンを超えます。水産養殖の規格はGSSIおよびGFSIに承認されています。
2021年にスタートしたGGNラベルは、商品に表示でき、その商品が認証された責任あるやり方で生産されたことを、高い信頼性とともに示すものです。
GLOBALG.A.P.は、責任ある持続可能な水産物の提供もしくは調達をお考えの企業に役立つソリューションを提供します。
シーフードレガシーは、水産関連企業、生産者、NGO・社会起業家の、サステナブル・シーフードに関する取り組みをサポートします。多様なステークホルダーが共通課題の解決に取り組む非競争連携プラットフォームをデザインし、日本特有の環境に合わせつつも国際基準に適った地域解決策をご提供します。
株式会社シーフードレガシーは企業における水産物のサステナビリティ&エクイティの追求をサポートさせていただいております。①持続可能な水産調達に向けたロードマップの策定と実施(HRDDやインパクトアセスメントの実施サポート、お取り扱い水産物のサステナビリティリスク分析、水産物における個別調達方針の策定とコミットメントの共同作成)、②サステナブルシーフードを求める市場とのマッチング(事業者マッチング、中間流通の組み立てや調整、コミットメント達成に向けた個別ロードマップの策定)をさせていただいております。詳しくは会場でご相談ください。
MELは、多様性に恵まれた自然・産業・食文化を反映した「日本発の水産エコラベル」です。FAOガイドラインに基づき、GSSIの国際承認を受けています。MELの使命は、生態系と水産資源を守り持続的に利用することは当然として、同時に産業の持続性を守るため、持続可能な社会のためのインフラとして、社会的責任を果たすことです。
「未来につなげよう海と魚と魚食文化」や「多様性豊かな日本の海の恵みを世界へ」をスローガンとし、持続可能な水産業を推進し、日本の水産業の新たな発展と魚食文化の継承を通して「海の豊かさを守ろう」、「つくる責任つかう責任」などのSDGsの目標達成に貢献しています。
ジャパン・サステナブルシーフード・アワードは、水産業のサステナビリティやサステナブル・シーフードの普及に貢献する取り組みを表彰するアワードです。リーダーシップ部門、コラボレーション部門、U-30部門があり、最もインパクトをもたらしたプロジェクトを「チャンピオン」として表彰します。
ブースにて第4回(2022年)のチャンピオンの取り組みと商品をご紹介します。
リーダーシップ部門:フィッシュ・アンド・プラネット株式会社
コラボレーション部門:株式会社ニチレイフレッシュ
U-30部門:京都府漁業協同組合溝尻地区 村上純⽮様、京都府漁業協同組合溝尻地区運営委員会
ジャパン・サステナブルシーフード・アワードは、水産業のサステナビリティやサステナブル・シーフードに関する取り組みを日々頑張っている方々を讃えるものです。10月17日(火)の授賞式では各部門のファイナリストの方の取り組み発表がありますので、ぜひご注目・応援のほどよろしくお願いいたします!
IUUフォーラムジャパンは、持続可能な水産業への取り組みをしているWWFジャパン、セイラーズフォアザシー日本支局、ザ・ネイチャー・コンサーバンシー、株式会社シーフードレガシーの4団体が違法・無報告・無規制(IUU)漁業対策に関して共同で活動することを目的に2017年9月に発足しました。
現在、日本で私たちが普段口にしているお魚の6匹に1匹が、IUU漁業に由来している可能性が高いとされています(日本の消費量の約半分が輸入品。輸入品の約3割がIUUの可能性)。世界の水産資源の資源量についてみると、資源量に余裕のある水産資源は年々減っており、持続が難しい(=枯渇の危機にさらされている)水産資源が2017年には全体の約35%に達しています。
その原因の一つとして、「乱獲」や「密漁」の問題があります。IUU漁業はこうした乱獲を防止するために定められたルールに反して行われるため、持続的な漁業に対する最も大きな脅威であり、持続可能な漁業の実施に欠かせない資源量評価の信頼性及び有効性を損ねます。このため、水産資源の回復に向けて不可欠な取組みとして、IUU漁業に対する規制の強化が世界的に注目を浴びています。
また、IUU漁業は資源の枯渇だけではなく、漁業者にとっても大きな脅威をもたらしています。国連FAOによると、IUU漁業は世界で年間2,600万トンほどの漁業資源を水揚げしていると推定されており、その金銭的価値は、毎年100~230億USドルと推計されています。これを日本円に換算すると1兆600億円~2兆4380億円と推定され、この金額は日本の年間漁業産出額とほぼ同等またはそれ以上の規模にあります。(2018年の国内漁業産出額は1兆5335億円)適切な漁業を行う漁業者にとっては、漁獲量が減るだけでなく、安価な水産資源の流通によって収入の減少に大きな打撃を与えることも懸念されます。
IUU漁業に関する認知度はまだ高くはありませんが、この問題の重要性について多くの方々へ周知し、必要な取組について考えるきっかけを作ることが、将来にわたる水産資源の有効利用や、日本の漁業の活性化にも繋がると考えます。